Director+illustrator+Designer
NHK大河ドラマのスタッフを経て独立、馬小屋の上階に事務所を構えてデザイン・映像・イラスト制作を請け負う。その後は外資系金融マンとweb3業界を経て、浮世絵を描いたり人間国宝の撮影を行い、好奇心の赴くままに生活しながら自分探しの旅を続けています。仕事を通じて、才能と生命力にあふれた人たちに出会い薫陶を受けることは、人生の大きな楽しみとなっています。
『8時だョ!全員集合』の中でも取り分け人口に膾炙している放送回『家の中でも交通安全』の美術セットを、多摩美術大学共同研究の一環として模型化しました。書き割りはPhotoshopとIllustratorを使って描画しており、再現度の高さに極めて自信があります。制作にあたって、立体画家のはがいちよう氏にアドバイスをいただきに行きました。アポなしでアトリエに突撃したにも関わらず、いろいろなテクニックと道具を与えていただいて本当に感激しました。
追記・『酔っぱらい父ちゃん』の回も模型化しました。酩酊状態を表現するためにすべてが全てがぐにゃぐにゃになっているという美術セットです。曲面を再現するのは手作業では不可能と判断したので、図面を参考にレーザーカッター用のデータを作成し、ケントボードをくり抜いた上で貼り合わせるという独自の作り方をしました。書き割りは手描きで再現し、シールに出力して貼っています。
こうした美術セットのリアルな模型化が初めてのことであり、クオリティに自信がなくて精神的に苦しんだのですが、ちょうど開催されていた「舞台美術家 島次郎の回顧展」を見に行ったところ、日本のトップの舞台美術家達の模型の中でもこれらは十分に通用するレベルになっていたなと客観的に思うことができました。妹尾河童さんに「美術家は模型をたくさん作るといいですよ」と背中を押してもらいました。